COTレポートとTFFレポートの違いと使い分け方

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COTレポートとTFFレポートの違いと使い分け方

~ レガシーレポートとの関係も整理し、「投機筋チャート」の重要性を解説 ~

CFTC(米商品先物取引委員会)が毎週発表するレポートには、主に**COTレポート(Commitments of Traders Report)TFFレポート(Traders in Financial Futures Report)**があります。

これらは市場参加者のポジション動向を分析する上で重要な指標ですが、どのレポートを使えばよいのか? という疑問を持つ方も多いでしょう。

本記事では、レガシーレポート(Legacy Report)を含めたCOTレポートの種類を整理しつつ、COTとTFFの違いを明確にし、それぞれの活用方法を分かりやすく解説していきます。

さらに、「投機筋チャート(大口投機筋・機関投資家・小口投機筋・レバレッジファンドのネットポジションを表示したチャート)」が合理的な理由についても詳しく説明します。


COTレポートとレガシーレポートの整理

CFTCのポジションレポートには、まず**「レガシーレポート(Legacy Report)」が存在します。これはCOTレポートの前身であり、現在も従来型のデータとして提供されているレポート**です。

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レガシーレポート(Legacy COT Report)とは?

市場参加者を3つのカテゴリーに分類

  • 商業トレーダー(Commercials)
  • 非商業トレーダー(Non-Commercials)(主に大口投機筋)
  • 非報告トレーダー(Non-Reportable)(小口投機筋)

COTレポートよりも情報がシンプルで、主にコモディティ市場向け

レガシーレポートは、昔ながらのシンプルな分類であり、今でもコモディティ市場の長期分析には利用されています。しかし、より詳細な市場分析を行うために、COTレポートやDCOT(Disaggregated COT Report)が発展してきました。

オーリー
CFTCのレポートの種類は複雑な名前が多いですよね。

COTレポート(Commitments of Traders Report)とは?

COTレポートは、レガシーレポートをより詳細に進化させたもので、市場参加者の分類をより細かく分析できるレポートです。

COTレポートの市場参加者分類

商業トレーダー(Commercials)

 → 実需ヘッジャー(生産者や製造業者)

大口投機筋(Large Speculators)

 → ヘッジファンドや機関投資家(投機目的)

小口投機筋(Small Speculators)

 → 個人トレーダーや小規模投資家

レガシーレポートと比較すると、COTレポートはより具体的に市場のポジション状況を把握できるようになっています。

また、COTレポートの中にはさらに細分化された**DCOT(Disaggregated COT Report)**もあり、より詳細な分析が可能です。


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TFFレポート(Traders in Financial Futures Report)とは?

COTレポートはもともとコモディティ市場向けに開発されましたが、金融市場(通貨、株価指数、金利先物など)では異なるプレイヤーが関与するため、より適した分類が求められました。

そこで2009年に導入されたのが TFFレポート です。

TFFレポートの市場参加者分類

ディーラー/インターミディアリー(Dealer/Intermediary)

 → 銀行や証券会社など、マーケットメイカーとして流動性を提供するトレーダー

アセットマネージャー/機関投資家(Asset Manager/Institutional)

 → 長期的な投資を行う年金基金やファンドマネージャー

レバレッジファンド(Leveraged Funds)

 → 短期の投機取引を行うヘッジファンドやCTA(商品投資アドバイザー)

その他のレポータブルトレーダー(Other Reportables)

 → その他のトレーダー

TFFレポートは、COTレポートの金融市場向けバージョンと考えればよいでしょう。金利市場、通貨先物、株価指数先物などの分析にはTFFレポートが適していると言えます。

オーリー
株価指数はどのレポートもあまり参考にならないことが多いですね。

投機筋チャートが合理的である理由

「投機筋チャート」とは、大口投機筋・機関投資家・小口投機筋・レバレッジファンドのネットポジションを可視化したチャートのことです。

このチャートが合理的である理由は以下の3つです。

① 市場のトレンドを視覚的に把握できる

各プレイヤーのネットポジションを一つのチャートにまとめることで、市場全体のセンチメント(強気・弱気)が一目で分かる

② 大口投機筋と機関投資家の動きの違いを分析できる

例えば、大口投機筋がロングを積み増しているが、機関投資家がショートを増やしている場合

  • 短期的な投機筋の期待と長期投資家のリスク回避がぶつかっている可能性がある
  • 相場の過熱感やトレンドの転換点を示唆することがある

③ 小口投機筋の動きが逆指標として機能する

小口投機筋は市場の天井や底付近で逆張りをする傾向があるため、

「小口が買い越している → そろそろ下落か?」

といった逆張りのシグナルとして活用できる。


結論:どのレポートを使えばいいのか?

コモディティ市場を分析するなら「COTレポート」

金融市場(通貨、金利、株価指数)を分析するなら「TFFレポート」

市場参加者の動きを総合的に把握するなら「投機筋チャート」

これらを適切に使い分けることで、市場の本質的なトレンドと転換点をより正確に分析できます。

ぜひ、実際のトレードに活かしてみてください。

⇒投機筋チャートはこちら

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